標準管理規約の改正
マンションの管理規約モデル案として一般的に用いられている「標準管理規約」ですが、昨年もいくつか改正がされました。
もっとも大きなところでは、区分所有者の住所変更を管理組合に届け出ること(単棟型(以下略)31条)、第三者に専有部分を貸与する場合にその情報(氏名電話番号の他、緊急連絡先も含むとされています)を管理組合に届け出ること(19条)、組合員名簿及び居住者名簿の作成保管(64条の2)が新たに規定されました。
弁護士業務との関係では、上記届出(31条)がされないことによって管理に支障を来した場合、住所探索に要した実費及び弁護士費用などを当該区分所有者に請求できるとの規定も新設されました(67条の2)。なお、管理費等の請求のために住所を探索した際の費用については従前の規定のままで請求できます(67条の2コメント③、60条2項)。相続人探索費用については明言されていませんが、60条2項の「徴収の諸費用」として請求は可能と考えてもよいでしょう。
管理費請求関係では、弁済充当につき理事会決議で充当の順序を定めた場合にはこれに従うとの規定が新設されました(60条5項)。コメントがないのでよくわからないところもありますが、指定充当の一種であり民法のルールを変更するものではないとみておくべきでしょうか。面白いところでは滞納者に請求できる「弁護士費用」には司法書士費用も含むとされました(条文上は「等」を付加しています)(60条コメント⑥、60条2項)。
標準管理規約は法律ではありませんので、これらの規定を盛り込む際には総会での決議が必要です。