区分所有法改正の立案担当者解説
4月に施行された区分所有法改正に関して、同じ月に立案担当者の解説本が出ています。
GWを利用してざっと読みましたが、実務上の留意点ほか、気になったところを書き出しておきます。
①所在等不明区分所有者の除外決定がされた場合、決定が取り消されるまで議決権は復活しないから、本人が現に集会に現れても議決に加わることはできない(35頁)。また、後に財産管理人が選任されても当然に議決権は復活しない(36頁)。
②規約に全区分所有者を決議の母数とする定めを置くことは、普通決議であれば許容されるが特別決議では不可(47頁)。
③所有者不明専有部分管理人の職務に債務の弁済は含まれないが、任意に弁済をすることは可能(63頁)。
④所有者不明専有部分管理人が区分所有者の預金通帳を発見した場合、債権は管理対象にならないので、裁判所とも協議して不在者財産管理人等を利害関係人として申し立てる方法があり得る(63頁)。
⑤所有者不明専有部分管理人が建替え決議につき議決権を行使する場合、特に賛成であれば念のため裁判所の許可を取ることも考えられる(66頁)。
⑥管理不全専有部分管理人選任申立ては、区分所有者の管理妨害が予想される場合には却下されうる(85頁)。
⑦管理不全専有部分管理人、管理不全共用部分管理人には弁護士・司法書士の他、管理業者やマンション管理士を選任することも考え得る(88、104頁)。
⑧専有部分が数人の共有に属する場合において国内管理人を設置する場合、全員が国内に住所等を有しない必要がある(146頁)。
⑨国内管理人の法定権限を契約で制限することはできない(150頁)。選任後に区分所有者が国内に住所等を移しても当然に地位が消滅するわけではない(146頁)。
⑩改正法26条2項「別段の意思表示」を規約又は集会の決議で制限することは可能(161頁)。保険金の個別受領を規約で禁ずることもできるが、営業損害など区分所有者特有の損害まで受領を禁じることはできない(162頁)。
