連絡が取れない区分所有者がいる場合、管理組合はどうするか(1)

マンションの一室に人が住んでおらずオーナーである区分所有者の連絡先もわからない場合、まずは住民票や戸籍の附票などを取ってみて住所を移しているかを確認することになります。管理組合の理事長としての資格でも役所に理由を説明すればこれらの書類を取れないことはないのですが、提示しなければならない書類などの関係でかなり煩雑です。通常は弁護士や司法書士などの専門職に依頼することが多いでしょう。
その過程で戸籍上死亡扱いになっておらず、かつ住民票も移していないような場合には所在不明の問題になりますが、区分所有者が亡くなっていることが判明すれば相続の問題になります。

相続が発生している場合には戸籍をたどって相続人を確定させることになります。その上で相続人全員に通知を送り、マンションの相続手続を促すことになるでしょう。
滞納管理費などがある場合、前区分所有者の死亡前に発生した部分は相続人全員で頭割り負担になりますが、死亡後に発生した部分は全員に全額を請求できます(もちろん、そのうちの誰かが支払ってくれば他の人から取ることはできません。)。複雑なので、遺産分割を経て物件を引き継ぐ方が決まるまで待ち、その上でその方に請求をして支払ってもらうことが多いと思われます。
他方で相続人は相続放棄という手段を取ることもでき、その場合にははじめから相続人でなかったことになります。相続放棄の事実は相続人側から教えてくれることも多いでしょうが、裁判所に照会をして調べることもできます。問い合わせ先は相続人の最後の住所を管轄する家庭裁判所となります。手続は裁判所HPに載っていますが、専門家に依頼してやってもらうこともできます。

相続人の全員が相続放棄をしていた場合には相続人不存在になります。
この場合には管理組合から連絡をする先もないわけですが、滞納管理費がある場合などにはそれで終わりというわけにもいきません。相続財産清算人などの選任申立てなどで対応することになります。詳しくは次稿で説明します。